【片喰・かたばみ】
片喰紋は鷹の羽紋と並んでもっとも多く用いられる家紋です。その均整の取れたデザインは家紋の中でも完成度の高い美しさがあります。バリエーションも豊富ですが、特に「丸に剣片喰」は非常に多く使われています。 カタバミの名は、茎や葉に蓚酸を含み、噛むと酸味があることから酢漿草と書かれたともいい、また夜になると葉を閉じて片葉になり、半分食われたようにみえることから片喰、あるいは片葉が3枚であることから片葉三から片喰となったとも、様々な説があります。日本中、どこでも目にすることができる雑草ですが、意外にも大納言だった源顕雅(みなもとの あきまさ)という位の高い貴族が使い始めた歴史ある家紋なのです。武家で有名なのは徳川譜代の酒井家、戦国時代は土佐国の長宗我部氏や備前国の宇喜多氏が用いました。 よく「踏まれても踏まれても生き抜く生命力から、子孫繁栄を意味する家紋」とも言われますが、それは後から考えられたイメージでしょう。 |