【月星・つきほし】

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【月星・つきほし】


 月星紋は月と星、あるいは星のみを象った家紋です。天武帝の白凰9年(680)に、中国から伝えられたという妙見信仰に深く関わった家紋です。

 妙見とは夜空に輝く北極星のことで、北極星と北斗七星を崇める信仰です。そして妙見菩薩は剣を手に持つことから、軍神としても崇められました。また北斗七星のη星を中国の密教では「破軍」ということから、敵を打ち破るという縁起を担いで多くの武士に信仰されました。他にも鉱山師などからも多く信仰されました。

 桓武平氏良文流千葉氏は妙見を守護神として信仰し、宗家は太陽と月、そして星を描いたという「三光」という家紋を用いました。その支族が大いに繁栄したことから、月星紋も全国で広く使用されることとなりました。

   公家では用いる家は無く、武家では非常に多くの家で用いられており、有名なところでは仙台藩伊達氏や熊本藩細川氏が九曜紋、平戸藩松浦氏が三つ星紋を用います。また全国でも非常に多い名字である渡辺姓では、ほとんどが丸に三つ星に一文字紋(別名:渡辺星)を用いています。