【雁金・かりがね】

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【雁金・かりがね】


 カリガネはカモ科マガン属の鳥で北極圏周辺に繁殖地を持つ渡り鳥です。マガンと共に行動しして見極めづらいのですが、目の回りに黄色のアイリングがあるのが特徴です。ただ極めて数が少なく絶滅が危惧されていますので、もし見ることができれば幸運と思います。越冬を終えて北に帰ってゆく帰雁(きがん)の風情は、平安時代から多くの歌人に愛されて歌に詠まれました。

 カリガネは便りを届ける鳥として知られます。中国漢代の武将蘇武(そぶ)が匈奴に捕らわれた時、蘇武の主君の皇帝は匈奴に返還を求めました。しかし匈奴側はそのような事実は無いと無視します。そこで一計を案じた次代の皇帝は、カリガネの脚に蘇武が手紙を結わえて報せてきたという作り話で匈奴を問い詰めて、蘇武を取り返したということです。この話しは『平家物語』でも紹介されていたので君臣の美談として武家には印象的な逸話だったようです。

 便りを運ぶ鳥である雁金紋は、その姿がデフォルメされて羽根と体の部分を丸く結んだように描くものがあります。これはおそらく平安時代に手紙を木の梢に結んで届けた風習などを表現したものと思います。  古いところでは『平家物語』に源義経を暗殺しようとした土佐房昌俊(とさのぼう・しょうしゅん)が「二文字に大雁」の紋を使っていたことが書かれています。戦国武将では真田氏が替紋として用い、織田信長の家臣柴田勝家なども家紋として用いていました。九州南部にもっとも多く、長野県や群馬県にも多く見られる家紋です。