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【蛇の目・じゃのめ】

蛇の目紋は、元々は弦巻（つるまき）紋と呼ばれ、武士が合戦の時に弓に張る弦の予備を巻いておく道具をイメージして作られた家紋です。戦国時代頃から蛇の目紋とも呼ばれるようになりましたが、いずれにせよ、その紋形に似ていることで紋名とされたものと思われます。 　正円で単純明快な家紋ですが、実はその形は邪悪なものを寄せ付けない意味を持っています。「蛇の目」とはヘビの目のような形からつけられた紋名です。現代でも丸を描いた造形物に対して、鳥類は本能的に天敵であるヘビやタカなどを想像して近寄りません。魔を寄せ付けない円形の造形は古墳などにも描かれており、古くから魔除けとしてのシンボリックな造形だったようです。そして家紋としても魔除けとして家を守るという願いを込めて用いられた家紋と思います。 　藤原利仁流加藤一族の代表紋で、戦国武将として人気の高い加藤清正もこの家紋を兜に付けていました。江戸時代の大名家では常陸国谷田部藩細川氏、下野国宇都宮藩戸田氏、遠江国掛川藩松平氏、伊勢国亀山藩石川氏、近江国水口藩加藤氏、伊予国大洲藩加藤氏、丹後国峯山藩京極氏が使用しています。東海、中部地域に多く見られる家紋です。

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