「臨、兵、闘、者、皆、陣、烈、在、前」の 九つの文字から成る密教の邪気を払う真言。 この九字の意味は『臨める兵、闘う者、 皆陣をはり列(烈)をつくって、前に在り』というものです。 【九字を切る】 まず手で刀を模した印「刀印」 を作り、 「臨兵闘者皆陣烈在前」の掛け声とともに空間を縦四本、横五本に切り邪気を祓います。 【九字の印を結ぶ】 「臨兵闘者皆陣烈在前」それぞれに対応した「印」があり、九字真言を唱えつつ、 すばやく手による印を作ります。印は仏と修行者を結ぶしるしであり、神聖な力を宿しています。 この印の力で内なるもの外なるものすべてに神聖な波動を送り邪気を祓います。 この時、阿字観によって研ぎ澄まされた洞察力を駆使して印の意味を理解し体得した時こそ完全な力を発揮します。
「臨」 普賢三昧耶印、「兵」大金剛輪印 「闘」外獅子印、「者」内獅子印 「皆」外縛印、「陣」内縛印 「烈」智拳印、「在」日輪印 「前」隠形印の九印です。 修験道では九印に毘沙門天、十一面観音、如意輪観音、不動明王、愛染明王、 正観音、阿弥陀如来、弥勒菩薩、文殊菩薩などを本地仏として配当する説があります。 陰陽道に行くと、青龍、白虎、朱雀、玄武、勾陳、帝台、文王、三台、玉女、と唱えます。 歌舞伎の勧進帳の中の一場面。 富樫と弁慶の問答の中にも九字の真言が登場いたします。 「九字の大事は深秘にして、語り難き事なれども、疑念を晴らさんその為に説き聞かせ申すべし。 それ九字の真言といつぱ、所謂、臨兵闘者皆陣烈在前の九字なり。 将に切らんとなす時は、ただしく立って歯を叩くこと三十六度、先づ右の大指を以って四縦を描き、後に五横を書く。 その時、急々如律令と呪する時は、あらゆる五陰鬼、煩悩鬼、まった悪魔外道死霊生霊、 立ちどころに亡ぶること、霜に熱湯を注ぐが如し。 実に元品の無明を切るの大利剣、莫耶が剣もなんぞ如かん。 武門にとって呪を切らば、敵に勝つこと疑いなし。 まだこの外にも修験の道、疑ひあらば、尋ねに応じ答へ申さん。 その徳、広大無量なり。 肝にゑりつけ、人にな語りそ、あなかしこあなかしこ。 大日本の神祇諸仏菩薩も照覧あれ、百拝稽首、畏み畏み謹んで申すと云々、斯くの通り・・・ 」 九字マントラ入りのアイテム一覧 |